このサイトでは広告が表示されます。また、個人の特定を防ぐため、個人の特定に繋がる情報を加工しています。

片道30分。私はなぜ、この通勤路を『美活ロード』と呼ぶのか?【ほっこりする話】

ブログ

導入

突然ですが、私は毎日、とある「片道30分」の道のりを移動しています。これを世間一般では「通勤」と呼ぶらしいのですが、私の中では少し、いや、だいぶ違う解釈をしています。なんというか、目的地へ向かうだけの移動、というにはあまりにも勿体無い、充実した時間になっているのです。そこで私は、この道のりに自分だけの名称を付けて呼んでいます。それが、『美活ロード』です。

通勤路と『美活ロード』、その定義。

まず、この『美活ロード』という言葉についてですが、世間一般でいう「美活」が、美容活動、例えばエステやヨガ、スキンケアなどといった、外見や健康を磨くための積極的な行動を指すことが多いのに対し、私の提唱する『美活ロード』は、そういった直接的な行動を伴いません。むしろ、何も「しない」ことが重要だったりします。
より具体的に定義するなら、『美活ロード』とは、「通勤という強制的な移動時間を利用し、精神的・肉体的なコンディションを整えることを目的とした、私個人の活動領域」といったところでしょうか。要は、通勤中にいかに自分にとって都合の良い状態を作り出すか、という非常に利己的な試みです。

なぜ私がそう呼ぶのか?

多くの方が「通勤」と聞いて思い浮かべるのは、満員電車、渋滞、慌ただしさ、そして何より「ストレス」ではないでしょうか。しかし、私にとっての片道30分は、まさにその真逆。むしろ、この時間があるからこそ、一日の始まりと終わりを穏やかに迎えられていると言っても過言ではありません。なぜ、普通の通勤路が、私にとってこんなにも特別な『美活ロード』になったのか。それは、一見地味に見える、ある「工夫」の積み重ねによるものなのです。

『美活ロード』実践編:地味な工夫がもたらす心の平穏

今、『美活ロード』なるものを定義しましたが、これは決して「朝からハイテンションで通勤道をスキップする」とか「電車の中で一人瞑想して浮きまくる」といった、傍から見たらちょっとアレな行動を推奨するものではありません。むしろ、いかに周囲に溶け込みつつ、自分だけがひっそりと得をするか。これが肝心なのです。そして、その「ひっそり得をする」ための工夫は、実に地味で、それでいて効果は絶大。今回は、その具体的な内容と、私以外にも密かに『美活』している人の話をご紹介しましょう。

第一歩は「戦略的遅延」:満員電車との駆け引き

私の『美活ロード』の根幹をなすのが、この「戦略的遅延」です。言葉だけ聞くと、まるでサボっているように聞こえるかもしれませんが、これは断じて違います。断じて、です。私は決して、単なる「寝坊」を正当化しているわけではありません。これは、ある種の「時間投資」なのです。

ご存知の通り、朝の通勤ラッシュというのは、もはや「移動」ではなく「詰め込みパズル」の世界です。あの状態では、もはや人間としての尊厳すら危うい。酸素は薄く、パーソナルスペースは皆無。押し潰されながら「今日も一日頑張ろう!」なんて思える人間がいたら、それはもう悟りの境地に至っているか、脳みそがちょっと特殊な構造をしているかのどちらかでしょう。私には無理です。あの空間に身を置くたび、心のHPがゴリゴリ削られていくのが分かるんです。

そこで私は、あえて「一本電車を遅らせる」という選択をします。または、もう少しだけ家で時間を潰す。たった15分、あるいは30分ずらすだけで、嘘みたいに車内の人口密度が下がる路線もあるものです。座席に座れる確率が格段に上がり、立っていても、少なくとも両隣の人と密着することなく、スマホを操作したり、本を読んだりするスペースは確保されます。

この「戦略的遅延」にかかるコストは、単に数十分早く家を出るか、その分だけ会社の始業時間より早く着くか、という程度のもの。しかし、得られるリターンは計り知れません。朝からストレスを感じることなく、座って落ち着いて移動できる。この「心の平穏」こそが、私の『美活ロード』の出発点であり、最大の効果だと断言できます。決して、単なる「朝が弱い」という事実を隠蔽するための手段ではありません。ええ、断じて。

五感を解放する「音の処方箋」と「視覚の栄養」

次に大事なのが、この移動時間をどう「自分にとって有益な時間」に変えるか、です。満員電車を回避したところで、ただボーッとスマホを眺めているだけでは、もったいない。そこで登場するのが、「音の処方箋」と「視覚の栄養」です。

私の場合は、その日の気分に合わせてプレイリストを変えます。今日は気分を上げたいからアッパーな曲、明日は頭をクリアにしたいからジャズ、なんて具合に。もちろん、最近はPodcastも優秀です。興味のある分野の知識を仕入れたり、時にはただただゆるい雑談を聞いて、脳のウォーミングアップをする日もあります。大切なのは、「受動的に情報を受け取る」こと。朝から自分で何かを生み出す作業は、まだちょっと重たいですからね。

そして、「視覚の栄養」。これは非常にシンプルです。スマホから顔を上げ、窓の外を眺めること。たったこれだけです。普段、何気なく通り過ぎていた景色の中に、意外な発見があったりするものです。例えば、あのビルの屋上に、実は妙なオブジェが置いてあったとか。あの電柱に、なぜか鳥の巣が複数あるとか。そういった「どうでもいい発見」が、脳をリリフレッシュさせてくれるんです。「へぇ、こんなところに」という、小さな驚きが、凝り固まった思考をほぐしてくれるような感覚です。

他者の『美活ロード』:早朝の「ルーティンウォッチング」

私の『美活ロード』は、あくまで私個人の話ですが、実は私以外にも「自分だけのルール」を作って通勤時間を有効活用している人を見かけることがあります。以前、とある取材で知り合った加藤 綾乃さん(仮名)という方がいました。彼女の通勤路もまた、片道40分ほどの電車移動だそうです。

加藤さんは、朝の電車で必ず同じ席に座ることを目標にしていると言っていました。それは、窓際の、特定の角度から駅のホームが見える場所だそうです。彼女はそこで、毎日繰り広げられる「早朝ルーティンウォッチング」を楽しんでいるのだとか。

「毎日、同じ時間帯に同じホームで電車を待っている人たちの、ルーティンを見るのが好きなんです」と加藤さんは笑っていました。「あのサラリーマンは、いつも同じコンビニのコーヒーを買ってるな、とか。あのおばあちゃんは、必ずベンチに座って、誰かを待ってる風だな、とか。たまに、明らかに二日酔いで、顔色が紙みたいになってる人もいますけど(笑)。人間観察は最高の暇つぶしだし、何より『自分も頑張ろう』って、謎のモチベーションが湧いてくるんですよね」

加藤さんは、その観察を通じて、登場人物の勝手なストーリーを頭の中で組み立てているそうです。あの二日酔いの人は、昨晩どんな修羅場を経験したんだろう?とか、あのカップルはこれからどこへ行くんだろう?とか。彼女にとって、通勤電車はまるで「人間ドラマ劇場」であり、登場人物は毎日更新されるリアルなキャラクターたち。その一つ一つの動きから、彼女は「明日への活力を得ている」のだと言います。

私の「音の処方箋」や「視覚の栄養」が、どちらかというと内省的な『美活』であるのに対し、加藤さんのそれは、より外向きで、他者との(一方的な)関わりの中から活力を得るタイプ。アプローチは違えど、「通勤時間を自分にとって有益な時間に変える」という本質は全く同じだと感じました。

地味だけど確実。継続こそが「美活」の源

いかがだったでしょうか。私の『美活ロード』も、加藤さんの「ルーティンウォッチング」も、どれもこれも非常に地味な工夫です。大金がかかるわけでもなく、特別なスキルが必要なわけでもない。ただ、日々の小さな選択と、それを継続する意思があるだけです。

しかし、この地味な積み重ねこそが、私たちの日常の質を大きく左右します。朝、家を出て会社に着くまでのたった数十分が、ストレスの温床になるか、それとも心のエネルギーチャージの時間になるか。この違いは、一日、一週間、一ヶ月と積み重なっていくうちに、計り知れないほどの差となって現れるはずです。

『美活ロード』は、誰にでもできる、再現性の高い「美活」。あなたも、今日から自分の通勤路を、ちょっとだけ見直してみませんか?意外な発見が、そこには転がっているかもしれませんよ。

『美活ロード』の向こう側にあるもの

さて、ここまで私の『美活ロード』と、他の方のささやかな実践についてお話ししてきました。地味な工夫、小さな発見、そして何より「ストレス軽減」という、非常に実利的な効果。これらが積み重なった先に、一体何があるのか。それは、一言で言えば「心の余裕」という、現代人にとって最も贅沢な贈り物ではないかと私は考えています。

日々の「心のゆとり」が生み出すもの

朝から満員電車に押し潰され、会社に着く頃にはすでにグッタリ。そんな状態で一日が始まってしまうと、どうなるか。当然、仕事のパフォーマンスにも影響が出ますし、些細なことにもイライラしやすくなります。同僚の一言に妙に腹が立ったり、PCの動作が遅いだけで舌打ちしたくなったり。もう、完全に「負のループ」です。

しかし、『美活ロード』を通して、朝の通勤時間を「自分のための時間」に変えることができれば、心のコンディションは大きく変わります。落ち着いて移動し、気分を整える。たったそれだけのことで、会社に着く頃には、心なしか肩の力が抜けている自分に気づくはずです。

この「心の余裕」は、仕事の質を向上させるだけでなく、プライベートにも良い影響をもたらします。例えば、帰り道にスーパーに立ち寄った際、いつもなら「早く帰って休みたい」とばかり思っていたのに、少しだけ食材選びを楽しむことができる。家に帰って家族と話すときも、心にゆとりがあるから、相手の話を穏やかに聞ける。究極的には、この「余裕」こそが、日常の小さな幸せを見つける目を養ってくれるのです。決して、大げさな話をしているわけではありません。本当に、たったこれだけのことで、世界が少しだけ、色鮮やかに見えるようになるものです。多分。

決して難しいことではない、たった一つの転換点

私の『美活ロード』は、「戦略的遅延」という名の「早起きして時間をずらす」行為だったり、加藤さんの「人間観察」だったり。どれも特別なことではありません。なんなら、単なる「通勤時間を有効活用する」という、ごく当たり前の概念を、ちょっとだけ自分に都合の良い呼び方に変えただけとも言えます。

でも、この「ちょっとだけ」が大事なんです。多くの人は「通勤はストレスだ」「移動時間は無駄だ」と決めつけて、その時間をただただ消費してしまっています。そこを、「もしかしたら、この時間も利用できるんじゃないか?」という、たった一つの視点の転換が、すべてを変えるきっかけになるんです。

まとめ:あなたの通勤路を『美活ロード』に

通勤時間を、ただの「移動」と捉えるか、「自分を整えるための時間」と捉えるか。そのたった一つの解釈の違いが、あなたの日常の質を大きく変える可能性を秘めている、という話を延々と続けてきました。

決して大げさなことをする必要はありません。今日からすぐにできることは、山ほどあります。例えば、いつもより一本早い、あるいは一本遅い電車に乗ってみる。いつものルートから、ほんの少しだけ寄り道してみる。耳にイヤホンを刺して、好きな音楽を流す。もしくは、スマホを一度ポケットにしまい、ただひたすら窓の外を眺めてみる。

あなたの通勤路を『美活ロード』に変えるための第一歩は、あなたが「ここを自分の時間にする」と決めること、ただそれだけです。たった30分でも、40分でも、その時間が「ストレスの源」から「活力の源」へと変わった時、きっとあなたの日常は、ほんの少しだけ、いや、結構な確率で良い方向に転がり出すはずです。

さあ、今日からあなたの『美活ロード』、始めてみませんか? きっと、期待通りの成果が、あなたを待っていることでしょう。たぶん。

コメント

タイトルとURLをコピーしました